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Q20.Seller がクロージング・コストを負担するときとは?

Sellerさんがクロージングコストを出してくれる、という話をよく聞きますが、実際にはどういうことでしょうか。

A. これには2通りの解釈があります。

1つは単純に、Sellerさんが値引きをする代わりに、Buyerさんのクロージングコストを負担してくれること。Buyerさん側にとっては、購入時に用意しなくてはならない現金をセーブすることができ、その浮いたお金を購入後のメンテナンスや、アップグレードなどに使える、という利点があります。

例えば、購入価格が$300,000の家を$295,000で$5,000値引きして買いたいとします。

ケース1
通常の場合:購入価格:$300,000>>>値下げ価格 $295,000
引渡し時に別途かかる手数料:$7,000 + 頭金:$20,000=クロージングコスト$27,000 現金で用意。

ケース2
Sellerがクロージングコストを$5,000負担する場合:購入価格:$295,000>>>$300,000へ引き上げ
引渡し時に別途かかる手数料:($7,000-$5,000<<<sellerからの負担) + 頭金:$20,000=クロージングコスト$22,000 現金で用意。>>>$5,000セーブ。>>>購入後のメンテナンスやアップグレードへ。

要するに、
ケース1:価格で調整した場合:ローンが$5,000減るが、クロージングコストが$5000現金で増える。
ケース2:クロージングコストを調整した場合:クロージングコストが$5,000現金でセーブできるが、ローンが$5,000増える。

どちらのケースにしても、Sellerの売却益には影響しません。しかし、Buyer側はどうでしょうか。ケース2では借金が多くなるという懸念がありますが、住宅ローンの場合、車や他のカードローンと違い、30年ローンで計算されているため、また利率がどのローンよりも低いこともあり、月額支払いには、10-20ドルという負担で賄える魅力があります。(例:車のローンで$5000借金をすると、5倍以上の$100近くなる場合も・・。)
というわけで、ケース2のように、クロージングコストとして現金をもらい、それをもっとも適した有効活用するBuyerも多くなってきました。例えばクレジットカードの借金を支払ってしまう、車のローンの残金を決済してしまう、などです。借金を多くしたように思えますが、家計全体の支払いは、実はかなり抑えられ、逆に節約できた結果となります。

2つめの方法としては、購入後の不動産価値をキープするためです。自らフルプライスの履歴を残し、契約上ではケース2の方法でSeller側からコストを負担してもらい、値引き扱いにします。皆さんが目にするタックスレコードや、私たちがアクセスするMLSにはこうした契約の詳細までは計り知れないので、一見、フルプライスで取引されたように見せかけて、その後のマーケットはそれらの基準により値付けされ、自らの不動産価値を向上させることが可能になります。

これからは不動産市場を取り巻く事情も変わってきますので、こういった取引が増えてくることでしょう。値引きをして後の市場に影響させるか、または不動産価値を自ら守るかは、買う側と売る側の事情を把握し、上手にこの方法を使いこなすことが鍵となってくるかもしれません。
《2006年9月》


Fair Housing / Equal Opportunity Law

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